年明けに、シャンゼリゼ歌劇場のトランサンダンス・シリーズで上演されたマッツ・エック振付作品3本「さよなら公演」ELLEより
先週、パリのシャンゼリゼ劇場で行われた
スウェーデンのダンス振付家、Mats Ek(マッツ・エック)の引退公演となる
From Black to Blue を観てきました。
モダンでユニークな振り付け、古典的な作品の独自の解釈で知られる奇才Mats Ek(マッツ・エック)。
ダンスにとりわけ詳しいとか熱狂的なファンというわけではありませんが、
最初に彼の作品を観た時にそれまでのダンスのイメージを変えられ、
それ以来は出来る限り公演を観ています。
とにかくダンサーたちの動きのひとつひとつから目を離せない。
あっという間の3演目。3作品目は老年の男女の物語。これがまたよかった!
森でひたすら薪を割る男性、その周りでひたすら踊り続ける女性。
詳しくは書きませんが、3作品の流れも感慨深く、愛とか性とか人間のサガとか
奇抜な表現と言われる(個人的にはそうは思わないけど。笑)彼の手法の中にきちんとした筋が通っています。
12月に引退公演を観に行ったバレエダンサーSylvie Guillem(シルヴィ・ギエム)の
最後の演目「Bye」はMats Ekの作品で、先月に引き続き、思い出深い公演となりました。
これまでの作品の上演権の殆どを所有して引退するMats Ek。
今後、彼の作品を観られることがあるのか・・・また観たいな。
ご興味のある方、ぜひDVDでご覧くださいませ。
俳優だった父アンデルス・エックと振付家の母ビルギット・クルべリーを両親に持つマッツ・エックは、演劇の演出と振付という二つの世界で作品を残した。言葉も筋もない抽象的な動きのみで構成されながら、彼が振付けた作品からは常に人間の情念の鼓動が生々しく伝わってくる。「この50年間、いつもプロジェクトがあった。これからは何もしない、という経験をしてみたい」とエックは語っているが、いつかもう一度舞台に戻ってきてもらいたいものだ。 シャンゼリゼ歌劇場より
切り出された作品の一部がこんなにも何かを語りかけてくるのは、マッツ・エックの緻密な作品作りがもたらす成果に他ならないと感じてしまいます。